地域の皆さまに教習所への親しみを一層深めていただくと同時に、教習所の認知度向上を目指し、隣接する住宅地の皆さまに対する感謝の気持ちを形にする教習所イベント。
コロナ禍で多くの指定自動車教習所がイベントの開催を見送る厳しい状況下、当社の「SOUDAアプリ」を利用している桑園自動車学校様(北海道札幌市)では、4年ぶりに校舎、教習コースを開放して交通安全イベント「秋の交通安全祭」が2023年9月23日に盛大に開催されました。
当社では、イベント当日にお伺いし、現地で取材させていただきました。
「イベントの再開を検討している」「将来、イベントを開催したい」という教習所の皆さまに向け、イベント運営時の注意点や当日の様子をお伝えいたします。この記事が皆さまの参考となり、地域コミュニティとの交流の一助となれば嬉しく思います。
桑園自動車学校とは
桑園(そうえん)自動車学校は、北海道で初めての屋上教習所です。イオン札幌桑園店の屋上にコースを持ち、教習施設からは札幌の美しい街並みを一望することができます。それだけでなく、商業施設と一体化したこの教習所は、女性専用の更衣室、パウダールーム、無料の託児所など、女性向けの施設も充実しています。また、商業施設の上に位置しているため、仕事帰りやプライベートの予定の前後に通学が可能です。
実施車種:普通自動車、普通二種自動車 、準中型自動車、小型限定普通二輪、普通二輪、大型二輪
実施講習:ペーパードライバー講習、高齢者講習、企業安全運転講習、冬道安全講習
1. 準備
・イベントの運営担当
開催当日の半年前からイベント担当の職員チームを組織。受付フロント業務、営業、インストラクターなど部署を跨いだチームで構成。このメンバーで、企画作り。その後、出展していただける各団体、企業、個人への交渉。
・協賛企業の募集
地元企業や教習関係で普段お付き合いのある企業へ、イベントの概要が書かれた郵送DMを送付。イベントへの協賛を呼びかけ。協賛企業は、イベントのチラシや特設ステージの看板などに社名を告知。当社も協賛させていただきました。
・事前の宣伝活動
3ヶ月前:近隣への折り込みチラシを作成
1ヶ月前:チラシ配布、HP、SNSで開催概要をアップ。当社のSOUDAアプリを使いいただいている在校生にも告知。
・イベントの前日
イベントの前日は、終業時間後に準備を開始。前日も通常どおり営業。当日の朝は朝8:00から準備開始。
2. イベント開催中の入校手続き
イベント開催にあわせて、当日入校手続きをされた方に割引特典を用意。入校手続きおよび、入校説明を聞ける専用スペースを設置。当日は多くの方が入校の手続き、入校説明を聞きに集まっており、教習生アプリ「SOUDA」もご案内していただいておりました。
アプリに登録すると、レンタルバイクやレンタカーの割引が得られる特典も。(2023年9月23日時点)
3. 開放したエリア
・教習コース(全域)
・校舎(学科教室、ロビー、休憩室)
・化粧室(男女とも全ての化粧室を解放)
※ 受付フロント内、職員用の部屋には人が常駐し立ち入り禁止に
4. 雨天の対策
雨天決行として計画された当イベントでは、ロビーに予備スペースを確保しておりました。実際、イベント途中で通り雨が発生しましたが、屋外での開催を予定していた地元学校やスクールによるバトンパフォーマンスやダンスは、急遽、予備として用意していたロビーのスペースへと場所を変更。事前に万が一の状況を考慮した準備が、スムーズな対応となり、効果を発揮しました。
5. 感染症予防
イベントを実施している各部屋の前にアルコール消毒液を設置。教室を使った体験型のブースでは教室内にも消毒液が設置されていました。職員はマスクを着用してお客様対応。
6. 当日の進行
コース上に設営された特設ステージでは、職員が司会進行を担当しました。事前にきちんと整理された進行表を元に、スケジュール通り、スムーズな進行が展開されました。日頃から配車アナウンスでマイクトークに慣れている職員の進行は、その堂々とした様子がプロ顔負けの司会ぶりでした。
7. イベントに参加いただいた団体
・地元警察署(白バイ・パトカー展示、二輪安全運転講習会、警官制服着用体験、音楽隊)
交通安全の啓発と、警察の業務に親しみを持っていただくため、地元の警察もイベントに出展しました。通常ではなかなか触れることのできない白バイやパトカーは、特に子どもたちから大きな注目を集めていました。
地元の人々と警察を音でつなぐ役割として、幅広い演奏活動を行っている警察音楽隊、カラーガード隊も出演。
・地元市役所(交通安全を目的として反射板を無料配布)
地元札幌市の交通安全運動推進委員会は、交通安全啓発の場として、教習所イベントを活用。「多くの人に向けて広報できる貴重な機会」とのことでした。動物の肉球をイメージしたかわいい反射板キーホルダーを配布していました。ちなみに肉球のコンセプトは、下記だそうです。
「に」:にかい見て
「く」:くるまは
「きゅう」:きゅうにとまれない
・地元のカーディーラー
札幌トヨタ自動車、北海道日産自動車が実車を展示して、試乗会を実施。その場でアンケートを取り、意識調査のデータとしても活用。自動車と親和性の高い自動車教習所での販売は、地元のカーディーラーにとっても認知度アップ、お客様とのつながりを深める機会。
北海道日産自動車のオリジナルキャラクター「ほくにっち君」も登場。終始子供たちに記念撮影を迫られていました。
・地元出身のシンガーソングライター(ライブ、サイン会)
特設ステージでは、プロのシンガーソングライターがライブを開催。女性を中心に多くの観客が集まり、会場はとても盛り上がっていました。ライブ終了後のサイン会も実施し、ファンとの交流の場も用意。近隣住民への配慮から、騒音問題を避けるため、朝の早い時間帯ではなく、正午頃に開催を行っていました。
・地元企業のキッチンカー(軽食など)
食事はキッチンカーが担当。地元の企業のつながりで4台が出店。焼きそばやソフトクリーム、やきとりなどが販売されていました。今回のイベントは、小さなお子様連れの親子が多く参加していたことから、子供が喜ぶメニューが特に好評を博していました。
・地元在住のクリエイター(同人誌販売)
少し異例ながらも地元在住のクリエイターもブースを出店しました。同人誌やオリジナルグッズの販売を行い、参加者からの注目を集めていました。SNSを通じて高い発信力を持ち、多くのフォロワーに支持されているクリエイターの参加は、教習所の認知度を一層高める素晴らしい機会となりました。
・飲料メーカー
こちらは、体験型のブース。ペーパークラフトの自動販売機を作る体験会を開催。親子で組み立てている参加者が目立ちました。自社の名前と商品(ドリンク)に対して親近感を持っていただける、最適の場となったようです。
<その他の出展者・参加者>
・ジェイ・アール北海道バス(運転士制服着用体験、パネル記念撮影)
・地元小学校のバトンチーム (実演)
・地元高校のチアリーディング部 (実演)
・地元大学の吹奏楽団(実演)
・地元ダンスクラブ (実演)
・JAF(VRゴーグル体験)
・飲料メーカー(ペーパークラフト)
・クレジットカード会社(クレジット契約受付)
8. 教習所が出店しているブース
・安全運転サポート車体験
・運転シミュレーター
・応急処置体験
・高齢者適性検査体験
・交通ルール測定体験
・死角特性体験
9. その他
同校を運営する「ジェイ・アール北海道バス」はバスにちなんだイベントを開催。
・バスの絵コンテスト
イベント数ヶ月前から地元の小学生に「バスの絵コンテスト」を実施。当日は同社代表取締役社長による入賞者の表彰式を開催。
・制服着用体験・顔出しパネル撮影
バスの運転手になりきって撮影できるブースを設置。運転手の制服と帽子を貸し出していました。
・ゴミ拾いジョギング「プロギング」
環境美化のためにジョギングをしながらゴミ拾いをする「プロギング」。当日は、地元警察署の方と一般の方が合同でゴミ拾いをしていました。
10. 当日の衛生対策
イベントでは多くの人が集まり、飲食店も出店していました。そのため、ゴミの管理は切っても切れない課題となります。当日、コースのいくつかの場所に分別できるゴミ箱が設置され、ゴミがたまると素早く回収されていました。
今回は、桑園自動車学校様が開催した魅力ある教習所イベントを皆さまにご紹介させていただきました。地域や教習所ごとに特色があり、全く同じ内容でのイベント開催は必ずしも容易ではありません。
私たちも複数の教習所イベントを拝見してきましたが、今回の取材を通じて特に印象に残ったのは、イベントが地域の皆様と教習所とのつながりを深める素晴らしい機会であり、同時に教習所の魅力や安全運転の重要性を広めるのに最適な場となっている点です。
本記事が今後のイベント開催の一助となり、新しいアイディアや工夫のヒントとなれば、これ以上に嬉しいことはありません。何か教習所イベント開催に関するご質問やご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。そして、この記事の取材にご協力いただいた桑園自動車学校の職員の皆さま、関係者の皆さまに深く感謝申し上げます。
桑園自動車学校様が制作したイベント動画で当日の様子をご覧いただけます。